ある部屋と3人の男女
愛情萬歳(1994)
舞台 :90年代の台湾
登場人物:セールスマン、路上で服を売る青年、不動産業者の女性
内容 :セールスマンの青年、シャオカンはある日マンションのドアに刺さった
ままの鍵を見かけ、衝動的に抜いて盗んでしまう。
盗んだ鍵で部屋に侵入したが…。
こんな人におすすめ
- 孤独を感じている
- 生活していて満たされない
- セリフが少ない映画が好き
- 仕事が上手くいかない
- 好きな人が振り向いてくれない
- 人と心から繋がれない
- シュールな映画が好き
この映画は以前紹介した「青春神話」と同じ蔡明亮監督の作品です。
本作の主要な登場人物である3人の男女のうち、男性2人は「青春神話」にも
出演していた俳優さんです。
「青春神話」はこちら↓
どちらの作品でもちょっと頼りない感じの役を李康生、
アウトローなカッコいい役を陈昭荣が演じています。
「青春神話」では李康生が陈昭荣演じるチンピラを一方的に追いかけているだけで、
2人の絡みはほとんどありませんでした。
しかし「愛情萬歳」ではこの2人がまともに会話をしています。
それだけでも観ている方は嬉しくなります(笑)
女性の役は杨贵媚と言う女優さんです。
めちゃくちゃ美人というわけでもないし、どこか俗っぽいというか、社会の中で
くたびれきった女という感じで、清純とか上品とかそういう雰囲気からは遠い印象。
美化されていない、なまなましく、どこか醜悪な部分すら持つリアルな女の姿を
演じていました。なかなか雰囲気のある方だと感じました。
ストーリーというか、描いている状況は象徴的なもので、実際にはありえないような
シュールな内容です。絶対ありえないとも言い切れないですが。
自分にはすごく刺さりました。不思議な気持ちで観続けてしまいます。